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Apple Watch Ultra 3 はサイクルコンピューターの代わりになるのか?

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サイクリングをしていると、「速度」「距離」「心拍数」など、走行データを記録したくなるものです。
これまではハンドルに取り付けるサイクルコンピューター(以下サイコン)を使うのが一般的でしたが、近年はスマートウォッチの高性能化によって、「Apple Watch だけでも代用できるのでは?」という声も増えてきました。

特に最新の Apple Watch Ultra 3 は、耐久性やバッテリー性能に加えて、サイクリング向けの機能が強化されたモデルです。
では実際のところ、どの程度サイコンの代わりになるのか?
本記事ではその疑問を、実際に計測できるデータ・運用面・使い勝手の3つの視点から整理していきます。


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Apple Watch Ultra 3 でサイクリング中に計測できるデータ

まずは、Apple Watch Ultra 3 がサイクリング中に記録できる代表的なデータを見ていきます。
「時計だけで何ができるのか」「どこから先はアクセサリが必要なのか」を分けて考えると整理しやすいです。

Apple Watch 単体で計測できるデータ

Apple Watch Ultra 3 本体だけで計測できるのは、以下のような項目です。

  • バイクスピード(GPS を利用した速度)
  • 走行距離
  • 心拍数(光学式センサー)
  • 消費カロリー
  • 高度(上昇・下降量のログ)
  • 経過時間・移動時間

いわゆる「サイクリングを記録しておきたい」という範囲であれば、この時点でかなりの情報が揃っています。
とくに心拍数については、専用の心拍ベルトがなくてもある程度の精度で取得できるのがメリットです。

外部センサーと組み合わせて計測できるデータ

Apple Watch Ultra 3 は、Bluetooth 対応のサイクルセンサーと組み合わせることで、さらに本格的なデータを扱えるようになります。

  • ケイデンス(クランク回転数:rpm)
  • パワー(出力:W)
  • パワーゾーン(FTP を基準にした強度ゾーン)
  • スピードセンサー由来の速度(GPS ではなくホイール回転ベース)

ここまで来ると、「ただのスマートウォッチ」ではなく、トレーニングツールとしても使えるレベルに入ってきます。
特にパワーメーターと連携させれば、「今日はどれくらいの強度で走れたのか」「どの区間で頑張りすぎたのか」といった振り返りも可能になります。


Apple Watch だけでは不十分な点 ― 外部センサーが前提になる場面

ここで押さえておきたいのが、Apple Watch Ultra 3 本体だけでは、ケイデンスやパワーは測れないという点です。
「サイコンの代わりになる」と聞くと、時計を腕にはめるだけで全部のデータが取れるようなイメージを持ちがちですが、実際には次のような準備が必要です。

ケイデンス・パワーを測るために必要なもの

  • Bluetooth 対応のケイデンスセンサー(クランク or ハブ or シューズなど)
  • Bluetooth 対応のパワーメーター(ペダル型・クランク型など)
  • センサーと Apple Watch をペアリングする初期設定

特にパワーメーターは、それなりの価格帯になる機材です。
「Apple Watch を買えばすべて完結」ではなく、あくまで“Apple Watch を中核にした計測システムを組む”というイメージに近いです。

GPS 速度とセンサー速度の違い

また、速度についても注意点があります。Apple Watch 単体では GPS を使った速度計測になりますが、センサーを追加すればホイールの回転を元にした速度に切り替えることも可能です。
都市部の高架下やトンネルなど、GPS 信号が弱い環境ではセンサー速度の方が安定するケースもあります。


サイコンと比較したときのメリット・デメリット

では、専用サイコンと比べたとき Apple Watch Ultra 3 はどうなのか。
メリットとデメリットを整理してみます。

メリットデメリット / 限界
スマートウォッチ+iPhone の組み合わせで、日常とライドのデータを一元管理できる走行中の画面の見やすさはハンドルマウントのサイコンに劣る
心拍・速度・距離・ケイデンス・パワーなど、基本的なトレーニングデータはカバー可能本格的なトレーニング指標(NP / TSS / IF など)は標準では扱いづらい
普段使いの時計としても常用できるので、ガジェットが増えないロングライドやブルベでは、バッテリー残量に余裕がなくなる場合がある
ライド後は iPhone に自動同期され、ヘルスケアやフィットネス系アプリと連携しやすいルートナビや詳細なマップ表示は、サイコンの方が使い勝手が良いことが多い

ざっくりまとめると、「データ記録」という意味ではかなり優秀だが、「走行中の表示・操作」という意味では専用サイコンに軍配が上がる、というバランスです。


実際の使い勝手:シーン別に考えてみる

通勤・街乗り・週末ポタリング

一般的な通勤や街乗り、カフェライドなどでは、Apple Watch Ultra 3 はかなり相性が良いです。
走行中に細かい数値を凝視する場面は少なく、「後からログで振り返れれば十分」という人が多いはずです。

  • GPS ルートと距離が分かれば OK
  • 平均速度や消費カロリーも記録される
  • 心拍ゾーンをざっくりと把握できる

このくらいの用途なら、外部センサーなしの Ultra 3 単体でも満足度は高いと思います。

ヒルクライムやトレーニングライド

「タイム短縮を狙っている」「FTP を意識してトレーニングしたい」といった用途になってくると、ケイデンスやパワーが重要になってきます。
このとき、

  • ケイデンスセンサー
  • パワーメーター

を組み合わせた Apple Watch Ultra 3 は、ライト〜中級者なら十分トレーニングに使えるレベルになります。
一方で、レース志向の強いサイクリストであれば、数値の見やすさや操作性の面から、専用サイコンを併用するほうが安心です。

ロングライド・ブルベ

100〜200km 以上のロングライドやブルベでは、

  • ナビゲーションの使いやすさ
  • バッテリー駆動時間
  • 雨天や夜間での視認性

といった要素が重要になります。
この領域は、現時点ではまだ専用サイコンのほうが一歩リードしていると感じるライダーが多いはずです。


導入ステップ:Apple Watch Ultra 3 を「サイコン代わり」にしていく流れ

いきなりフル装備にする必要はありません。段階的に環境を整えていくのがおすすめです。

  1. まずは Ultra 3 単体でワークアウトを記録
    サイクリングのワークアウトを起動して、速度・距離・心拍だけで何回か走ってみる。
    → これだけでも「どのくらい走ったか」が分かるだけで、かなり楽しいです。
  2. 物足りなさを感じたらケイデンスセンサーを追加
    回転数が見えるようになると、「少し重いギアで踏みすぎていた」「ケイデンスを一定に保つと楽に走れる」といった気づきが得られます。
  3. さらにトレーニングしたくなったらパワーメーターを導入
    出力を基準にトレーニングを組み立てられるようになり、成長を実感しやすくなります。
  4. それでも不満が出てきたらサイコンを追加
    「画面がもっと大きいほうがいい」「ナビ機能を使いたい」と感じたタイミングで、サイコン導入を検討すると失敗が少ないです。

このように、いきなりサイコンか Apple Watch かを二者択一で悩む必要はなく、「とりあえず Apple Watch から始めて、必要ならサイコンを足す」くらいの気持ちでいると気が楽です。

Apple Watch Ultra 3 と相性の良い速度・ケイデンスセンサー一覧

Apple Watch Ultra 3 は、Bluetooth 対応の速度センサー・ケイデンスセンサーと組み合わせることで、
より安定したスピード計測や、ペダリングピッチ(ケイデンス)の把握が可能になります。
ここでは、代表的なセンサー類を「ケイデンス専用」「速度専用」「速度+ケイデンス一体型」に分けて紹介します。

ケイデンスセンサー(ペダリングピッチを把握したい方向け)

まずは「ケイデンスだけ分かれば十分」という方向けのセンサーです。
ペダルの回転数が分かるようになると、ギア選択やペダリングのリズム作りがとても楽になります。

製品名メーカー主な機能おおまかな価格帯
RPM Cadence SensorWahooクランクやシューズに取り付けるケイデンスセンサー。
マグネット不要で取り付けが簡単。Bluetooth / ANT+ 両対応で、Apple Watch やサイクルコンピューターとも接続しやすい。
約 ¥6,000〜¥7,000 前後
RPM Cadence Sensor(輸入版・別バリエーション)Wahoo上記とほぼ同等の仕様を持つモデル。
海外ショップなどで取り扱われることが多く、価格差や在庫状況で選択肢に入る。
約 ¥6,000 前後

速度センサー(GPS に頼らず速度・距離を取りたい方向け)

ホイールの回転から速度・距離を計測するタイプのセンサーです。
トンネルや高架下など、GPS が不安定な環境でも安定したデータが欲しい場合に有効です。

製品名メーカー主な機能おおまかな価格帯
Bike Speed Sensor 2Garminホイールハブに取り付ける速度センサー。
ホイール回転から速度・距離を計測するため、GPS が届きにくい場所でも安定した記録が可能。
約 ¥8,000 前後
Speed Sensor DualGarmin速度計測に対応したセンサーで、ANT+ / Bluetooth 両対応。
サイコン・スマートフォン・Apple Watch など複数デバイスとの接続を考えている人に使いやすい。
約 ¥7,000 前後
TRACKR Speed SensorWahooホイール回転を利用した速度・距離計測センサー。
Wahoo エコシステムとの連携に優れ、GPS 補完用途としても優秀。
約 ¥5,000〜¥6,000 前後

速度+ケイデンス一体型センサー(まとめて揃えたい方向け)

速度とケイデンスの両方を一度に揃えたい場合は、コンボタイプのセンサーが便利です。
一度取り付けてしまえば、速度・ケイデンスの両方を安定して取得できます。

製品名メーカー主な機能おおまかな価格帯
Speed & Cadence Sensor ComboGarmin速度センサーとケイデンスセンサーのセット。
速度・ケイデンスの両方を一度に揃えたい場合に便利で、将来的にサイコンとの併用も想定しやすい構成。
約 ¥12,000 前後

用途別のセンサー選びのヒント

  • まずはペダリングのリズムを知りたい:ケイデンスセンサー(Wahoo RPM など)
  • GPS が不安定な環境でも速度・距離を安定させたい:速度センサー(Garmin Bike Speed 2 / Speed Sensor Dual など)
  • 速度もケイデンスも一気に揃えたい:速度+ケイデンス一体型・セットモデル

いずれのセンサーも、Bluetooth 対応であれば Apple Watch Ultra 3 と組み合わせて使用できる可能性が高いです。
「どのデータを重視するか」「どこまで突き詰めたいか」に応じて、パワーメーターとあわせて選んでみてください。

Apple Watch Ultra 3 と相性の良いパワーメーター一覧

Apple Watch Ultra 3 は Bluetooth 対応のパワーメーターと組み合わせることで、パワー(W)や左右バランスといった本格的な指標を記録できます。
ここでは、Apple Watch との相性がよく、実際に使用例も多い代表的なパワーメーターを「ペダル型」「クランク型」「スパイダー型」に分けて紹介します。

ペダル型パワーメーター(初めての導入におすすめ)

ペダル型は取り付け・取り外しが簡単で、複数のバイクで使い回しがしやすいのが特徴です。
初めてパワーメーターを導入する方にもおすすめしやすいタイプです。

製品名メーカー主な機能おおまかな価格帯
Rally RK100 / RS100 / XC100Garmin片側計測モデル。右または左ペダルでパワーを取得。
XC は SPD、RS はシマノロード、RK は LOOK 対応。
Bluetooth 対応で Apple Watch とも接続しやすい。
約 ¥90,000〜¥100,000
Rally RK200 / RS200 / XC200Garmin両側計測モデル。左右バランスやペダリング効率の把握が可能。
本格的なトレーニング・レース用途に向く高精度モデル。
約 ¥150,000〜¥170,000
Assioma UNOFavero左片側計測の軽量ペダル型。
安定した Bluetooth 接続で、Apple Watch 使用例も多い定番モデル。
約 ¥70,000〜¥75,000
Assioma DUOFavero両側計測モデル。左右のパワーバランスやペダリングのクセまで確認可能。
軽量で耐久性も高く、人気の高いパワーメーター。
約 ¥105,000〜¥120,000
POWRLINK ZERO SingleWahooSPEEDPLAY ペダル対応の片側計測モデル。
Wahoo エコシステムとの連携に優れ、Apple Watch とも連携しやすい。
約 ¥90,000
POWRLINK ZERO DualWahoo両側計測モデル。SPEEDPLAY 派のライダーに向いた本格仕様。
左右バランスや踏力を細かく確認したいロードレーサー向け。
約 ¥150,000

クランク型パワーメーター(コスパ重視派に)

クランク型は比較的価格を抑えつつ導入できるタイプです。
対応クランクさえ合えば、安定した計測と良好なコストパフォーマンスが期待できます。

製品名メーカー主な機能おおまかな価格帯
Precision 34iiii片側計測のクランク型パワーメーター。
非常に軽量で、幅広いクランクに対応したラインナップが用意されている。
約 ¥55,000〜¥65,000
Stages Power LStages左片側クランク式の定番パワーメーター。
雨天や寒冷地でも実績が多く、安定した計測が可能。
約 ¥60,000〜¥70,000
Stages Power LRStages左右両側計測モデル。
左右バランスやペダリングスムーズネスなど、より詳細な分析が可能。
約 ¥120,000〜¥140,000

スパイダー型パワーメーター(本格トレーニング向け)

スパイダー型はクランクセットと一体となるタイプで、高精度・高剛性が特徴です。
レース志向や本格的な FTP 管理をしたいサイクリスト向けの選択肢です。

製品名メーカー主な機能おおまかな価格帯
DZero DUBSRAM(Quarq)スパイダー型パワーメーターの定番。
高い測定精度と耐久性を備え、レースシーンでも多く使われている。
約 ¥110,000〜¥140,000
NG EcoPower2Maxコストパフォーマンスに優れたスパイダー型パワーメーター。
左右合計値の精度が高く、対応クランクも豊富。
約 ¥100,000〜¥130,000

用途別の選び方のヒント

  • まずは手軽にパワーを導入したい:Assioma UNO や Rally 100 シリーズなどの片側ペダル型
  • 左右バランスも含めてしっかり分析したい:Assioma DUO や Rally 200 シリーズ
  • 価格を抑えつつパワートレーニングを始めたい:4iiii Precision 3 や Stages Power L
  • レース・FTP管理まで本格的にやり込みたい:Quarq DZero DUB や Power2Max NG Eco

いずれのパワーメーターも、Bluetooth 対応モデルであれば Apple Watch Ultra 3 と組み合わせてパワーデータを記録できます。
「どのデータを重視するか」「予算はいくらか」「どれくらい本気でトレーニングするか」を基準に選ぶと、後悔の少ない機材選びができるはずです。


まとめ:Apple Watch Ultra 3 はサイコンの代わりになるか

ここまで見てきた内容をまとめると、Apple Watch Ultra 3 は次のように整理できます。

  • 速度・距離・心拍数など、基本的なデータは本体だけで問題なく計測できる
  • ケイデンス・パワーは、対応する外部センサーを用意すれば取得可能
  • ライト〜ミドル層のサイクリストなら、「サイコン代わり」として十分実用的
  • レースやロングライド、詳細なデータ分析まで求めるなら、専用サイコンの併用が現実的

結論としては、「目的とライドスタイル次第では、Apple Watch Ultra 3 はサイクルコンピューターの代わりになり得る」と言えます。
すでに Apple Watch を使っている人、なるべくデバイスを増やしたくない人にとっては、とても魅力的な選択肢になるはずです。

まずは Ultra 3 単体で走ってみて、物足りなくなったら少しずつセンサーや機材を足していく。
そんなふうに、自分の走り方と相談しながら環境を育てていくのが、いちばん後悔の少ないやり方だと思います。

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