最近、メリダから登場したDIRT 500が静かに話題になっています。
シングルスピードで、26インチホイール、アルミフレーム。まさに“ジャンプしてなんぼ”の遊びバイク。
一方、KONAのUNITは同じくシングルスピードながら、トレイルにも通勤にも行ける懐の深さが魅力です。
今回はこの2台を「同じシングルスピードのMTB」として比べてみます。
どちらを買うべきか、そしてどんな人に向いているのか。実際の使い方を想定して考えてみました。
■ DIRT 500 ― 遊びに全振りした“MTBMX”
DIRT 500は、見た目からしてすでに“遊び専用”の雰囲気。
26インチのホイールに、アルミフレーム、そしてシングルスピード。
変速機もサスペンションも潔く省かれていて、パンプトラックやジャンプコースで遊ぶにはぴったりです。
シンプルで軽く、壊しても惜しくない価格帯(15万円前後)。
メンテナンスも楽で、空気を入れてチェーンを張っておけばすぐ遊べる。
いわば「スケートボード的な感覚」で乗れるバイクです。
トリックやパンプ練習をしたい人、あるいは“乗ってるだけで楽しい”感覚を求める人に向いています。
舗装路での長距離走行や登坂には向きませんが、割り切って遊ぶならこれほど気持ちのいいバイクはなかなかありません。
■ KONA UNIT ― シングルでも“走れる”万能派
一方でKONAのUNITは、同じシングルスピードでも性格がまったく違います。
クロモリフレーム(Reynolds 520)に29インチホイール。
フォークもリジットで、装備はミニマル。でもその分だけ“走れる”要素がしっかりあります。
トレイルや林道、通勤ルートのちょっとしたダートも難なくこなせる懐の深さ。
クロモリ特有のしなやかさもあって、長く乗るほど愛着が湧くタイプです。
「変速なしでトレイルを走るなんて無理じゃ?」と思うかもしれませんが、
ギア比が絶妙なので、慣れれば不便を感じにくい。
むしろ“機械に頼らず、自分の脚で走る感覚”を楽しめるのがUNITの良さです。
■ どちらが買いか?使い方でハッキリ分かれます
両方ともシンプルで整備が楽、そして所有欲を満たしてくれるモデルですが、
目的が違うので「どちらが上」というより「どちらで遊びたいか」で決まります。
| 比較項目 | MERIDA DIRT 500 | KONA UNIT |
|---|---|---|
| フレーム素材 | アルミ(軽くて頑丈) | クロモリ(しなやかで丈夫) |
| ホイールサイズ | 26インチ | 29インチ |
| 性格 | ジャンプ・パンプ専用 | トレイル・街乗りも可 |
| メンテナンス | 超シンプル | 同じくシンプルだが用途が広い |
| 価格帯 | 約15万円前後 | 約22万円前後 |
| 適したライダー | パークで飛びたい人 | トレイルで脚を鍛えたい人 |
結論:
- パンプトラックやジャンプ中心 → DIRT 500
→ 軽くて壊れにくく、純粋に「遊ぶための自転車」として最高。 - トレイルや通勤も兼用したい → UNIT
→ 走行性能としなやかさを両立。一本で長く付き合えるタイプ。
■ DIRT 500が向いている人
- パンプトラック・ダートジャンプが好き
- メンテよりも“乗る時間”を重視したい
- コンパクトな26インチを扱いたい
- ジャンプの練習やトリックを覚えたい
DIRTは“遊び道具”としての完成度が高い。
アルミフレームの剛性感もあり、飛んでも耐えられる安心感があります。
週末の数時間を思い切り楽しむには、最強の一本です。
■ UNITが向いている人
- トレイルや街乗りも楽しみたい
- クロモリの乗り味を味わいたい
- 長く愛着を持って乗りたい
- いずれ変速化やカスタムも考えている
UNITは“走りの質”を重視する人に合っています。
舗装路から林道までこなせるため、使うシーンが広い。
静かに、しなやかに走りたい大人のライダーにぴったりです。
■ まとめ:一本で何を楽しみたいかで決めよう
DIRT 500は「飛ぶ・遊ぶ・壊す」を前提にした快楽的なバイク。
UNITは「走る・鍛える・味わう」を前提にした実直なバイク。
どちらも“シングルスピード”という共通点を持ちながら、
その世界観はまるで違います。
もしあなたがパンプトラックで週末を過ごすタイプなら、迷わずDIRT。
一方で「一台で山も街も走りたい」と思うならUNITです。
どちらを選んでも“変速機に頼らない自由さ”が味わえるはず。
遊び方を決めた時点で、あなたにとっての正解は自然と決まります。

コメント